結局、どれだけ時間をかければ英語が話せるようになるのか?
永遠のテーマですね。
言語の習得にかかる時間について語る時に、よく使うデータが、アメリカ国務省の機関「Foreign Service Institute」がまとめたものです。外交官などを養成する専門機関で、英語ネイティブスピーカーが他の言語を集中的に学んで、どのくらいの時間で”日常生活や業務に不便がないレベル”に達することができるか、言語ごとに時間を出しています。
英語ネイティブが、日本語を習得するのにかかった時間は2400時間~2800時間。各国の言語の中で日本語は、韓国語や中国語、アラビア語と一緒に、最も時間のかかる難しい言語となっています。
このデータをひっくり返して、英語ネイティブが日本語を習得するのにこれだけ時間がかかるのであれば、その逆も同じで、日本人が英語を習得するには、ちょっとおまけをつけて3000時間位は必要だろうとされています。
そして、日本人は中学から大学までの10年間で約2000時間英語を勉強したので、あと1000時間頑張ればなんとかなる、というように考えることもできます。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか?
2000時間学んだ事が、ちゃんと身についていればそう言えるかもしれませんが、ほとんどチャラになっている人が多いのです。
特に、40代の方は、今から20年程前に就職し、今まで英語など必要ない状況でやってきてすっかり忘れてしまった頃、ここに来ていきなりグローバル化だから英語が必要だ!と言われて、「えっ?」となっているわけです。
もう一つ、重要なポイントは、このForeign Service Instituteで訓練を受けている人は、外交官などの候補になるくらい優秀な人達で、しかも毎日数時間の集中訓練に、自己学習を3~4時間毎日続けた結果なのです。
普通の人なら、この時間数の2倍あるいは3倍は必要だろうと考える専門家もいます。
毎日会社で仕事をしている日本人が、英語の訓練だけに集中できるはずなどありません。
仕事をせずに英語の勉強だけ1年間やって2000時間です。
「もう今更いいよ」と思う気持ちもわかります。
だからこそ、英語の習得には「まずはここまでできるようにする」という何段階かの目標設定をすることが重要です。
さらに、その目標は、ひとまずビジネスで必要最低限のコミュニケーションは取れるくらいの目標にします。
最初の目標に達するには、何千時間もかかりません。
数十時間で「あー、そういうことか」と実感できるはずです。
実はそのレベルは、皆さんが思っているよりずっとハードルが低いのです。